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2015年11月27日(金)
《ぴあ×チャンネルNECO》強力コラボ 【やっぱりNECOが好き!】 第50弾~第59弾
ぴあ×チャンネルNECO強力コラボ連載第59弾!!
さんま&しのぶの“化学反応”に圧倒される永遠の名作
80年代トレンディドラマの先駆的作品として、今なお語り継がれる「男女7人」シリーズ。
「夏物語」は全話平均24.2%、「秋物語」は全話平均30.0%という驚異的な視聴率を叩き出し、主題歌の石井明美「CHA-CHA-CHA」(「夏物語」)、森川由加里「SHOW ME」(「秋物語」)も大ヒット。まさに社会現象ともいうべき一大ブームを巻き起こした伝説の作品だ。今年の10月には、TBSの特番で「夏物語」のキャスト7人が再結集したことも話題を呼んだが、29年前のドラマの出演者の同窓会が世間の耳目を集めたことからも本作の根強い人気がうかがえる。
このドラマの一番の魅力は、なんといっても良介役の明石家さんまと桃子役の大竹しのぶの2ショットシーン。激しいバトルのようなやりとりを繰り広げ、数あるコント番組をもはるかにしのぐ笑いを生み出したかと思えば、繊細な芝居の駆け引きで男女の機微を体現し、感涙のラブシーンを作り出す。
例えば「夏物語」の第7話、嵐の夜に良介が桃子に初めて愛を告白するシーン。当時、映画さながらの迫力ある映像も相まって、二人の迫真の芝居に鳥肌が立ったのをよく覚えている。さんま&しのぶはその後、実生活でも夫婦となるわけだが、そんな虚実入り乱れたスリリングさを差し引いても、二人の演技合戦は見応え十分。アドリブをふんだんに交えながら、互いの面白さを引き出す天才二人の“化学反応”は、四半世紀を経てもなお新鮮で、今見ても圧倒されてしまう。
しかし、ここで特筆すべきは作品自体のクオリティの高さだ。まず秀逸なのが、軽快なストーリー展開と端的なセリフで、各キャラクターの人物像を丁寧に描いていく鎌田敏夫の脚本。前述した特番でも「夏物語」の7人それぞれの名場面が紹介されていたが、登場人物一人ひとりに“名場面”が存在すること自体、まれなことではないだろうか。
もちろん、きめ細やかな人物描写は「秋物語」でも健在で、恋人の美樹(岩崎宏美)に別れを告げに来た良介を、美樹ではなく親友の一枝(手塚理美)が涙ながらに責め立てるシーンなど、当時まだ中学生だった筆者は『大人の恋愛とはこんなにドロドロしたものなのか…』とドキドキしながら見ていた記憶である。そしてさらに注目なのが、両シリーズで監督を務めた生野慈朗と清弘誠の演出。ケレン味と抑制の緩急をつけながら、シリアスとコメディーの要素を絶妙なバランスで配していく手際は見事というほかない。これらのスタッフ・ワークによって、作品の世界観がしっかりと築かれていたからこそ、さんま&しのぶも自由に動き回ることができたのだろう。
同窓会で「今度このメンバーで“年老いた編”を作ろう」とうれしそうに話していたさんま。いつの日か、60歳前後の男女の恋模様を描く続編「男女7人夏物語・アラ還編」が誕生することを期待しつつ、まずはこの永遠の名作をじっくりと観賞してほしい。
2015.10.21
ぴあ×チャンネルNECO強力コラボ連載第58弾!!
怪獣&特撮ファンが熱狂した大傑作!
日本にはゴジラとガメラという、世界に誇る怪獣がいる。ゴジラを直球とすれば、ガメラは変化球。特に昭和ガメラは子ども目線が人気を博し、頭が包丁の怪獣と戦ったり、ガメラを救うために子どもたちが潜水艦でガメラの体内に入ったりと、テーマパークのような楽しさに溢れていた。
時は流れて平成、ゴジラが敵役でありながら主人公ゆえ倒せないというジレンマに陥ったとき、怪獣ファンの溜飲を下げたのが平成ガメラ三部作だった。往年の怪獣映画へのリスペクトはもちろん、怪獣を一種の災害として描いている点が大きな特長。ゴジラ映画のような防衛組織や超兵器は登場せず、実存の自衛隊装備のみで戦うことで、「もし、現実に怪獣が現れたら」というリアルなシミュレーション映画として作られている。
第1作「ガメラ 大怪獣空中決戦」(’95)で、ガメラは環境の変化でよみがえったギャオスと戦う。昭和ガメラが人類の味方だったのに対し、平成ガメラは古代人がギャオスを倒すために作った生物兵器で、地球の守護神として登場。ガメラはギャオスを倒すことが目的だが、当然、人類にも被害が及んでしまう。そのため、宇宙からやってきたレギオンと戦う第2作「ガメラ2 レギオン襲来」(’96)では、自衛隊はガメラを攻撃目標にする。その自衛隊がガメラの援護に回るラストは男泣き必至なのだ。第3作「ガメラ3 邪神〈イリス〉覚醒」(’99)では、進化したギャオス・ハイパーの群れとその変異体イリスを倒すため、ガメラは渋谷と京都を火の海に。満身創痍(まんしんそうい)で戦うガメラにまたも涙を禁じえないだろう。
さて、平成ガメラの魅力のひとつがリアルな特撮。この夏、映画「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN」で日本中を恐怖に陥れた樋口真嗣が特技監督を務め、怪獣の対決を低い目線で撮ることで迫力と臨場感を、ミニチュア・セットを屋外の自然光で撮影することでリアリティを演出している。樋口監督は第1作で日本アカデミー賞特別賞を受賞したが、特撮ファンの度肝を抜いたのが第3作の渋谷壊滅シーン。見ているだけで恐怖を覚えるほどのすさまじさで、しかも、イリスとの戦いは怪獣映画史上初の戦いの連続! まずは台風の暴風雨の中で戦い、最後は京都駅に倒れ込み、駅構内で巨大怪獣の壮絶な戦いが繰り広げられるのだ。
映画・チャンネルNECOでは、「ガメラ」の公開50周年を記念して、5ヵ月にわたって「大ガメラ祭」を開催。今月は平成ガメラ三部作と番外編「小さき勇者たち~ガメラ~」(’06)を、来月以降は昭和ガメラを順次オンエアしていく。ガメラ復活(!?)に想いを馳せながら、その勇姿をしっかりと見届けよう。
2015.9.23
ぴあ×チャンネルNECO強力コラボ連載第57弾!!
“濃厚”な番組をお届けする 「月曜おとなテレビ9」がスタート!
“濃厚”な番組をお届けする
「月曜おとなテレビ9」がスタート!
映画・チャンネルNECOで、「月曜おとなテレビ9(ナイン)」と題した新レギュラー枠が10月から始まります。“おとな”のための“おとな”の番組をコンセプトに、ノンフィクション・ドキュメンタリーや音楽ドキュメンタリーなどをメインに放送。貴重な番組、異色作を揃えた、いわば“おとなの月9”。実際、このラインナップがスゴいんです。
なにしろ、音楽ドキュメンタリーのトップバッターは、「熱唱! 男は海に哭け!!石原裕次郎 vs 五木ひろし」(’77)。裕次郎の熱心なファンでさえ存在をほぼ知らない希少なソング&トーク・ショーを、ペロッと蔵出しなんですから。ヨットの話に「映画より歌より好き」と熱くなり、若い五木ひろしを「先輩!」と呼びながら「よこはま・たそがれ」を披露するなど、自由過ぎる裕次郎。昭和の大スターの奔放な人柄を、こんなに鮮やかに伝えてくれる番組はそうそうありません。
ドキュメンタリーの方も充実しています。「復活~山田洋次・SLを撮る~」(’11)は、実は蒸気機関車ファンである名匠・山田洋次監督が、国鉄C61形の修復プロジェクトに密着しながら、映画監督としての原点を自ら探っていく骨太な1本。しかし、最終的にフォーカスされるのは、SLが現役の線路を走る姿 の美しさ。ああ、山田洋次さんは初めて手がけたTVドキュメンタリーであっても、やはり“スターの輝き”を大事に描くのだ…。その辺のニュアンスの豊かさ をぜひ味わっていただきたいです。ちなみに、ナレーションは山田監督の新作「母と暮せば」(’15年12月12日公開)で主演を務める吉永小百合。ここにも“スターの輝き”を見ることができるでしょう。
「日本テレビ報道が記録した0系新幹線」(’11)も、発掘された新幹線関連の番組素材のみで構成された、相当に通好みなドキュメンタリー。「レアな映像のみをじっくりお見せします!」と肚を据えた作り手の姿勢がかなりのものです。78分のうち、約50分が’64年の東海道新幹線開業までの舞台裏。風圧・ 震動実験、試運転の様子など、珍しすぎて鉄道ファンは目まいが起きてしまいそうです。
さらに、あの戸塚ヨットスクールの現在を掘り下げて大きなインパクトを与えた、東海テレビ制作ドキュメンタリーの劇場版第1弾「平成ジレンマ」(’10)も再びオンエア。要するに、「月曜おとなテレビ9」は、ジャンルにこだわらず、コンテンツの“濃さ”を優先した枠なのです。
“月9”の放送枠といえば、地上波の恋愛ドラマが長らく一世を風靡(ふうび)しました。ただ、もとを正せば、プロ野球中継が1週間で唯一無い月曜の夜に何 を放送するか、各局がチャレンジを繰り返してきた歴史を持つ枠なのです。映画・チャンネルNECOが、ここにあえてこだわりの強いプログラムを並べるのは、大変に面白く、そして正しい!
テレビ通を唸らせる“おとなの月9”。今月から何を見せてくれるのかと、チェックする楽しみが増えました。
2015.8.23
ぴあ×チャンネルNECO強力コラボ連載第56弾!!
玉之丞のかわいさに悶絶必至! やっぱり“猫侍”が好き
9月5日に劇場版第2弾「猫侍 南の島へ行く」が公開される「猫侍」。シリーズの魅力その一は、猫好きにはたまらない、猫のかわいさがこれでもかとぎっしり詰まっている点だ。抱き上げたとき、困ったように耳が後ろにペタッとなる仕草、人が来たときに絶妙のタイミングで魚籠(びく)に隠れる動き、愛くるしげな表情で見上げる様…
かわいいっ! たまらなすぎるっ!!
ただし、猫のかわいさだけに終始していたら、「猫侍」はここまでの人気シリーズには成長しなかっただろう。そこで、「猫侍」の魅力その二。猫のキュートさに次第に魅入られていく浪人・斑目久太郎(北村一輝)の存在だ。
もともと、斑目と白猫・玉之丞との出会いはバッドな状況。化け猫呼ばわりされている玉之丞を斬ってくれと依頼されたのだ。しかし、玉之丞を斬れなかったことから飼う羽目に。当然、飼い始めた当初は大騒ぎの連続だ。
玉之丞におしっこをされて刀を抜きそうになったり、飼うのは無理だと捨てることを決意したり…。そんな関係だった一人と一匹が次第に絆を深めるうち、斑目が玉之丞に話しかけている自分に驚いたり、食欲のない玉之丞に必死に料理を作ったりと、その変貌が実に楽しい。
さらに、強面な見た目とは裏腹な、斑目の“心の声”がめっぽう面白い。眉間に皺を寄せた険しい表情なのに、心の中では「もう少し寝よーっと♪」とキュートなセリフ。見た目は武士らしく寡黙だが、心では超ツッコミ型。些細なことにもツッコむ様がお笑いの粋にまで達していて、何度も声を出して笑ってしまう。
この絶妙な“体内ツッコミ”と猫の愛らしさが見事に融合し、「ねこタクシー」や「幼獣マメシバ」シリーズといったこれまでの動物ドラマとは異なる独特の世界観を創造。時代劇と動物ドラマという、ありえない掛け合わせを成立させたのだ。シリーズの原点であるTVドラマと劇場版第1作をじっくり堪能し、北村一輝が原案と脚本を手がけた渾身の「猫侍 南の島へ行く」を観ていただきたい。
ちなみに…今月の映画・チャンネルNECOでは、トム・クルーズが侍に扮した「ラスト サムライ」も放送。侍つながりってことで…こちらも併せてチェックしてみよう!
2015.7.21
ぴあ×チャンネルNECO強力コラボ連載第55弾!!
終戦の裏側に隠された天皇とマッカーサーの物語
玉音放送から15日後の1945年8月30日、レイバンのサングラスをかけ、コーンパイプをくわえた183cmの大男が厚木飛行場に降り立った。連合国軍最高司令官、ダグラス・マッカーサーその人である。
タラップに立つその姿は、日本人を睥睨(へいげい)する鬼軍曹のようでもあり、傷だらけの山河に安寧(あんねい)をもたらす軍神のようにも見える。当時の日本人にとって、彼の姿はどのように映ったのだろうか————。
8月15日の終戦記念日に映画・チャンネルNECOで放送される「終戦のエンペラー」は、そのマッカーサーが日本の戦争犯罪を裁くために活動を開始するところから幕を開ける。
彼が最も頭を悩ませたのは、天皇の処遇だった。アメリカ本国では天皇の訴追を求める声が多数を占めていたが、天皇を処刑すれば日本国民の反発を招くことは必至だ。そこでマッカーサーは、知日家のボナー・フェラーズ准将に日本の開戦、真珠湾攻撃の意志決定に天皇の関与があったか否かの調査を命じる。同時にフェラーズは、かつて恋人だった島田あやの行方も調べ始める。
太平洋戦争をテーマにした映画は日米共に数多く作られてきたが、「マッカーサーと天皇の葛藤」を真正面から取り上げた作品は存在しなかった。その理由は、外国人にとって日本人の精神性を司る天皇は理解不能な存在であり、日本人にとっては「不敬」の概念から逃れられないためだと考えられる。日米交渉における天皇の戦争責任を問うた本作は、いわば、近現代史のグレーゾーンに初めて光を当てた作品なのだ。
また、マッカーサーではなくフェラーズ准将を主人公とした視点も意表を突く。「天皇に関する覚書」を作成した実在の人物だが、広く一般には知られていない。そんな名もなきアメリカ人の日本に対する友好的な感情が、実は戦後の日本を救ったという物語は、フィクションが含まれているにせよ、実に興味深い“真実”として見る者を惹き付けるだろう。
映画のクライマックスは、9月27日、アメリカ大使館公邸で行われた昭和天皇とマッカーサーの初対面シーンだ。マッカーサーは、「全責任は自分にある」という自国民を救うための天皇の発言に接し、その気高さに落涙しかける。戦争の愛憎を克服した瞬間のマッカーサーの歪んだ表情に、「終戦のエンペラー」のすべてのメッセージが込められていると言っても過言ではないだろう。回想で描かれるフェラーズとあやの愛も、天皇を守ろうとする側近たちの葛藤も、すべてはマッカーサーと昭和天皇の宥和(ゆうわ)のために構築されたドラマだと考えられる。
また、日米のアンサンブルキャストも本作の見どころだ。貫録たっぷりにダグラス・マッカーサーを演じたトミー・リー・ジョーンズ、奥行き深く昭和天皇を演じた片岡孝太郎のほか、一昨年亡くなった夏八木勲が天皇に寄り添う関屋貞三郎を、西田敏行が英語が堪能な退役軍人・鹿島を、初音映莉子が鹿島の姪でフェラーズに愛されるあやをそれぞれ好演している。映画として初めて皇居敷地内で撮影を敢行したほか、希少な歴史写真をもとに皇居内部まで忠実に再現していることでも話題になった。
今年は太平洋戦争終結から70年の節目の年。日本が敗戦に至るまでの内幕を、原田眞人監督が豪華キャストで描いた「日本のいちばん長い日」も8月8日に公開される。「終戦のエンペラー」と併せて鑑賞し、「日本とアメリカの過去と未来」について改めて考えてみるのも有益だろう。
2015.6.22
ぴあ×チャンネルNECO強力コラボ連載第54弾!!
チャンネルオリジナルキャラクター「マメ蔵」が ゆるキャラ界に旋風を巻き起こす!?
くまモン、バリィさん、ふなっしー…数々のスターがひしめく“ゆるキャラ界”に、新たな顔が加わった。開局25周年を迎えた映画・チャンネルNECOが、その記念プロジェクトで制作した“マメ蔵”だ。
デザインを手がけたのは、同局の映画情報番組「映画ちゃん」でMCを務めるオリエンタルラジオの中田敦彦。中田は知る人ぞ知る芸人きっての画力の持ち主だが、オリジナルキャラクターを制作するのは初めて。それだけに「めちゃめちゃ悩みましたね。最初はロボットを思いついて、趣味の世界に走りかけてしまいました(笑)」と述懐する。
そんな中、チャンネル名の“ネコ”から招き猫をモチーフにすることを思いついたところで、道が一気に開けた。「そのネコに相方の藤森慎吾のテイスト、メガネとかちょっとチャラい感じの要素を加えたら面白くなるんじゃないか? そうして誕生したのが、マメ蔵です」。当の藤森も「お気に入りですね」と評するマメ蔵。キャッチーでありながらオリジナリティも兼ね備える――再ブレイクで注目を集めるオリラジの特長を体現したような――キャラクターが、こうして誕生したのだ。
加えて、中田はマメ蔵を使ったショートフラッシュアニメ「出番ですよ!オニギリズ」では監督にも挑戦した。内容は、ラッパーのマメ蔵(もちろん声は藤森慎吾!)、ボーカルのもんちゃん(声は元NMB48の山田菜々)、DJ&コーラスのエノモトさん(声は監督本人)による音楽ユニット「オニギリズ」の日々を描いたもの。声優初挑戦の山田は「声にコンプレックスがあった」そうだが、キャラとの相性が抜群だし、藤森は自身のテイストが反映されたキャラなので手慣れたもの。中田を加えた三者の“楽屋トーク”がいい塩梅(あんばい)のユルさを醸し出している。
また、本作には“プレスコ(プレスコアリング)”という手法がとられていることが大きな効果を生んでいる。通常のアニメはアフレコ(アフターレコーディング)といって、絵に合わせてセリフを話すのだが、本作は逆。三者がアドリブで話しているのを録音して、その台詞に合わせて絵をつけるのだ。この手法により制作されて人気を博したアニメ「ピーピング・ライフ」のように、独特の間とやりとり自体を味わえる作品になっている。
そしてさらに注目なのが、アニメの最後で流れるオニギリズによる主題歌「O.N.I.G.I.R.I.」! 夏の海岸線で聴きたくなってしまうようなミディアムナンバーで、ある意味びっくり。「久しぶりに歌いました」というもんちゃんこと山田の歌声と、自ら手がけたリリックを放つマメ蔵こと藤森のラップが聴きどころである。なお、「出番ですよ!オニギリズ」からは続々と新たな動きが。5月30日にLINEスタンプが発売開始になったのに加え、ゲスト声優にあの京本政樹の参加が決定! 依頼があった時を「藤森からすごい真面目なLINEで『京さま、ちょっとお話があるんです』って言うから、彼女と別れるのかと思いました(笑)」と振り返る京本は、「非常に面白い試みだなと思います」とコメントを寄せている。
7月には、そんなマメ蔵の誕生&アニメの完成を発表したイベントの模様が「映画ちゃん」でオンエアされる。中田敦彦&山田菜々に加え、マメ蔵の着ぐるみで登場し、最後まで脱ぐことがなかった藤森慎吾、さらにお祝いにリズムネタ芸人の8.6秒バズーカーとバンビーノが駆けつけるなど、中身は豪華かつにぎやか。「アニメに出してほしい!」と懇願する8.6秒バズーカーとバンビーノを相手に、マメ蔵が驚異のコラボを展開。そこに中田も交えた“大技”が繰り広げられ、果ては「O.N.I.G.I.R.I.」も披露してくれるので、ひとつのステージを観るつもりで楽しんでいただきたい。
早くも快進撃の兆しを見せるマメ蔵。果たして道はどこまで続いているのだろう? 着ぐるみの中の人は大変そうだが(会見でも何度か中座していた)、どうかこの先も駆け抜けていってほしいと思う。
2015.5.24
ぴあ×チャンネルNECO強力コラボ連載第53弾!!
伝説を生み出した“美女と野獣”のラブストーリー
まだまだ好景気にわいていた1991年。TVではトレンディドラマが花盛り。「君の瞳をタイホする!」「愛しあってるかい!」「東京ラブストーリー」などが大流行し、多くのOLがドラマ見たさに帰宅部化。そんな中、彼女たちを驚愕させるニュースが飛び込んでくる。
「次の月9の恋愛ドラマの主演は、武田鉄矢!」
このドラマこそ、後に数々の伝説を作り出す「101回目のプロポーズ」だ。
が…オンエア前の反応は伝説とはかけ離れていた。女子のファッションアイコンであり、“W浅野”と称されたトレンディドラマの女王・浅野温子の相手役が、 まさかあの“金八先生”とは! 「意外すぎてヒットしない」と思った人も多かったはずだが、この予想は大きく外れることとなった。
3年前に婚約者を事故で失い、心を閉ざしたヒロインの薫(浅野温子)に果敢にアタックする42歳の万年係長・達郎(武田鉄矢)。“婚活”などという言葉が なかった時代、100回もお見合いに失敗(!)した末に出会った薫との恋に猪突猛進するひたむきな姿には、誰もが心を打たれたのだ。
最終回の視聴率は36.7%を記録、毎回ドラマの最後を効果的に盛り上げたCHAGE&ASKA(!)の主題歌「SAY YES」も280万枚超えのミリオンヒットに。さらに近年では、韓国、台湾などで翻案されてドラマ、映画が作られたり、国内では時代劇として舞台化された りと、いまや薫と達郎の“美女と野獣”的ラブストーリーは海を越え、時を越えて愛されている。しかし、純然たるリメイクはいまだに存在しない。それこそ、 このドラマの越えられない、変えられない完成度の高さの証明ではないだろうか。
とかく薫と達郎の関係がフォーカスされる本作だが、達郎を支える年の離れた弟(江口洋介)との兄弟愛や、薫と仲間たちとの友情も、時に楽しく、時に感動的 で、多くの世代の男女が共感できるものだ(ちなみに、薫の同僚でヴァイオリニストの爽やかなイケメンを演じているのは、“ミナミの帝王化”する前の竹内力 だ)。そして、さすがトレンディドラマの旗手・野島伸司の脚本だけあって、随所に心に沁みる名台詞がちりばめられている。
もちろん、一番有名な台詞は、達郎が、ひいては武田鉄矢がスタントなしでトラックの前に飛び出して言う「僕は死にません!」だろう。もとい、「僕は死にま しぇん! あなたが好きだから、僕は死にましぇん。僕が、幸せにしますから!」。命も人生も懸けた一世一代の名シーンだ。
実は、このシーンはクライマックスではなく、まだ中盤の第6話に登場。ここで二人は結ばれるのかと思いきや…まだひと波乱もふた波乱も物語は紆余曲折を経るのだから目が離せない。
最後に…流行語大賞にもなったこの台詞、物真似では「死にません!」ではなく「死にましぇん!」と発音されるが、武田本人はきっぱりと否定。果たして、実際のところは…!? ぜひ今回の放送で確かめてみて!
2015.4.24
ぴあ×チャンネルNECO強力コラボ連載第52弾!!
信念の男と社会とのズレに肉薄した傑作ドキュメンタリー
2011年に劇場公開されたドキュメンタリー映画「平成ジレンマ」が放送されます。今回がTV初放送だとか。なかなかに感慨 深い出来事です。なぜかというと…「平成ジレンマ」は、愛知・岐阜・三重の3県を放送エリアに持つ東海テレビの制作・配給作品。つまり、ドキュメンタリー 番組を再編集した劇場版だからです。
取材と編集に精魂尽くし、地域の問題にとどまらない深度の番組を完成させたとしても、放送時間帯と枠の制限が待っている。全国ネットにもなかなか乗らない。しかし、番組を映画にしてしまえば、壁は突破できる。プロデューサー・阿武野勝彦の戦略的発想から、「平成ジレンマ」を第1弾とする東海テレビ制作ドキュメンタリーの劇場版はスタートしました。
その数は現在までに7本。固定ファンは着実に増えています。映画好きがTVのドキュメンタリーの存在を見直す大きな契機ともなっています。
東海テレビが2014年に発行したパンフレット「ドキュメンタリー映画とテレビの未来」で、阿武野さんはこう記しています。
「いつか、映画館に出した表現が、テレビに戻ってきて、テレビの世界を豊潤なものにしてくれることを願っている」
映画・チャンネルNECOでの放送は、その願いのひとつの結実と言えるのです。
僕はドキュメンタリー専門媒体「neoneo」の編集メンバーでもありまして。別の作品で阿武野さん、齊藤潤一監督にそれぞれインタビューした縁もあり、 今回の放送を良かったと素直に思っています。同時に、そう書くことに気も引けています。「平成ジレンマ」を初めて観た時、実は、どう捉えていいものか困惑したのです。
当時、ドキュメンタリー映画の公開数が激増し、ミニシアターの一角を成していく状況に間近で接してスリルを覚える一方、人物の奇矯な行動、モロに言えば “生態”を面白がるムードに疑問も芽生えていました。ドキュメンタリーの需要が“画面越しに安心して観られる人間動物園”の消費にあるのならば「俺、抜けるぜ…」と不貞腐れかけている、そんなころに見た「平成ジレンマ」でした。
あの戸塚ヨットスクールの校長を主人公に据えた狙いに、僕はあらかじめ色眼鏡をかけてしまっていたのです。ようやく今は、この映画の凄みがわかります。
1980年代、スパルタ訓練による非行少年再教育で話題を呼び、死亡事故で一転、社会の悪役となった戸塚宏校長。今でもヨットスクールの運営は続き、訓練生は不良の代わりに引きこもりが中心に。子どもも世相も変わっても、戸塚校長は「体罰は子どものため。殴られた子はその恥を糧に進歩する」という、逮捕前からの教育理念を変えていません。
大昔の、理不尽なほど厳しく怖かった家長そのもの。そんな戸塚校長が訓練生を見る表情から、慈父の温かみを一瞬でも感じてしまった時…現在においては絶対的常識なはずの〈何があろうと体罰はいけない〉が途端に揺らいでしまいます。
是か非か————。簡単には言い切れない地点で、ブレずに生きる人間を通して世の価値観の揺らぎを浮き彫りにする。「平成ジレンマ」ですでに確立されていた複雑な問題提起の姿勢は、この後、映画・チャンネルNECOで7月まで放送される東海テレビ制作ドキュメンタリーの劇場版、すべてに一貫しています。第 46回ギャラクシー賞テレビ部門上期入賞作品など、数々の賞に輝いた「光と影~光市母子殺害事件 弁護団の300日~」も6月に放送されるというから見逃せません。
そこらへんを理解できていないまま、阿武野さん、齊藤監督に取材していたこと、今さらながら恥ずかしい…。全部の映画を理解しないと記事にできない、となったら映画マスコミに関わるのは現実、無理なのですが。うまく表面を繕うコツばかり覚えてもいけません。
僕は今、ドキュメンタリー映画の評を「深く考えさせられる」という常套句で結ぶのを、自分のNGにしています。間違っているとしても、考えたことを書こうと思っているのです。
2015.3.24
ぴあ×チャンネルNECO強力コラボ連載第51弾!!
貫録を増す山田孝之のクールな佇まいにシビれろ!
「金は奪うか、奪われるかだ!」
若きカリスマ闇金業者・丑嶋馨が、返済を滞らせた客から非情な取り立てを行う。その姿はぞくぞくするような凄みにあふれている。
‘04 年から「週刊ビッグコミックスピリッツ」でスタートした真鍋昌平原作の「闇金ウシジマくん」は、10日で5割の超暴利を貪る「カウカウファイナンス」を経 営する丑嶋馨と、さまざまな事情で金を借りにくる客たちの人間模様を圧倒的なリアリティーで描いてスマッシュヒット。‘10年にはTVドラマシリーズもオ ンエアを開始、丑嶋役に抜擢されたのは若手実力派の筆頭・山田孝之である。
山田といえば、シリアスからコメディーまで、全方位の役柄に対応するカメレオン俳優。原作の丑嶋馨は山田の体格の1.5倍ほどはある屈強な大男だが、そん なことが全くハンデにならない存在感がスゴい! メガネの奥からギラリと光る怜悧な眼で、不用意に近づけないオーラを醸し出している。
‘12 年にはTVドラマをベースにした劇場版が公開。イベントサークルの主催者から成り上がろうとする小川純を林遣都が、簡単に小遣い稼ぎができる出会いカフェ にハマっていく鈴木未來を大島優子がそれぞれ演じ、大いに話題をさらった。客足も好調で、すぐさま続編の制作が決定。‘14年1月よりドラマ版のシーズン 2がオンエアされ、終了後の5月には劇場版第2弾が公開された。
本作の特徴は、丑嶋はあくまで狂言回し的な立場であり、真の主役は「借金で首が回らなくなった人たち」という点。ギャンブルやホストクラブで湯水のように 散財したり、怪しい儲け話に騙されたりしながら右往左往する人々の姿は、現代社会が抱える闇をデフォルメしたものだ。また、ひたすらピリピリとした債務者 たちのダークサイドを描くだけでなく、随所にギャグやお色気シーンを挿入しているのもキモ。こうした緩急がつくことで、人間の“おかしみ”が濃厚ににじみ 出るのだ。
甘い考えで金を借りまくり、返済が困難になると正体を現す債務者たちに、丑嶋は容赦のない言葉を叩きつけ、冷酷に回収していく。ほとんどのケースは救いがないが、時にはカウカウファイナンスで金を借りたことをきっかけに、人生を見つめ直す客もいる。
その典型が、TVドラマのシーズン2に登場する35歳の自堕落なパラサイトシングル・宇津井優一(永野宗典)だ。宇津井はパチスロの軍資金を捻出するため にカウカウファイナンスの客となるが、最終的に家庭が崩壊したことで奮起。前向きに生きようと決意する。その心意気に打たれた丑嶋は、(暴利ではあるもの の)着実な返済方法を提示する。借金を通した家族のスクラップ&ビルドともいえるこのエピソードには感情移入しまくり、終盤には思わず落涙。まさかウシジ マくんで泣かされるとは思ってもみなかったよ!
劇場版パート2では、丑嶋と幼なじみの情報屋・戌亥を綾野剛が演じたほか、中尾明慶、窪田正孝、門脇麦、木南晴夏といったフレッシュな顔ぶれがズラリと参 戦。なかでも、カウカウファイナンスの見習い社員・加賀マサルに扮した菅田将暉は、文字通りの体を張った演技で近年の勢いを感じさせる。また、陰湿なス トーカーに扮した柳楽優弥や、甲高い声でキレまくるドSキャラに扮した高橋メアリージュンの怪演も見逃せない。自分の殻を“ブレイクする”のにピッタリの 「闇金ウシジマくん」シリーズは、若手俳優にとっての登竜門的意味合いを持ち始めているのだ。
映画・チャンネルNECOでは、TVシリーズのシーズン1&2、劇場版2作、BeeTVのスペシャルドラマを一挙放送。シリーズを重ねるうちに30代に突入し、どんどんと貫録を増していった山田=丑嶋のクールな佇まいにシビれまくろう!
2015.2.24
ぴあ×チャンネルNECO強力コラボ連載第50弾!!
悲劇&衝撃的展開がつるべ打ちの家族ドラマ
続きを観たくて、いそいそと帰る。そんなドラマにはなかなか出会えるものではない。1983年にオンエアされた「積木くずし——親と子の200日戦争——」は、まさしくそんな“次が待ち遠しいドラマ”だった————。
高部知子演じる香織里がどんどん不良化し、悪役女子プロレスラーのような厚化粧で暴れ回る。金をせびり、「ダメダメ香織里ちゃん、お金はあげられないの よ」と懸命に止めようとする母に対して暴力をふるう。そんな姿にドキドキした。どこまでクズ人間に落ちていくのか、ハラハラした。同時に、物怖じせず、大人たちと渡り合う彼女の姿にうらやましさも感じた。大人たちに反抗したいけれどできない、そんな年頃の子どもたちにとって、彼女は魅力的でもあった。
かくしてこのドラマは、最終回であの「半沢直樹」ですら届かなかった視聴率45.3%(関東地区)を獲得。俳優・穂積隆信の実体験に基づく原作本は300 万部を超えるベストセラーとなり、新藤兼人の脚本で映画化もされた(2日放送)。映画版では、薬師丸ひろ子、原田知世と共に“角川三人娘”と呼ばれた渡辺 典子が娘役を熱演。ドギツいメイクと体当たりで汚れ役に挑み、話題となった。だが、社会現象を巻き起こすほどの話題作となった「積木くずし」は、さらなる 崩壊を穂積家にもたらすことになってしまう。
その“終わらない悲劇”を描いたのが、今回、映画版と併せてオンエアされるTVスペシャル、’94年の「積木くずし——崩壊、そして…」(3日放 送)、’05年の「積木くずし真相 ~あの家族、その後の悲劇~(全2話)」(4・5日放送)、’12年の「積木くずし 最終章(全2話)」(21・28日放送)だ。
娘が引き起こした家庭内暴力について執筆した本が飛ぶように売れ、講演会などで全国を飛び回るようになった穂積氏。だが、ブームになったことで娘は周囲の注目を浴び、その結果、また非行に走り、ドラッグに手を出し、ついには逮捕されてしまう。さらに、妻との離婚、その妻の自殺、そして娘の死…と、「ええっ! そんなことがあの後に起きてたの?」と驚かされる悲劇&衝撃的展開のつるべ打ち! 「~最終章」では自殺した妻の過去に焦点をあて、驚くべき血縁関係まで暴露されるのだ。
そうした物語から浮かび上がるのは、シビアで、けれども情愛にもあふれた家族の姿。家族であるためには何が大切なのか、どうあるべきかを強く問いかけてく る。安達祐実や成海璃子ら、天才子役と呼ばれた女優たちが娘を演じている点も見どころ。演じる俳優によって、時代によって、あるいは物語の視点によって変化していく家族の姿を、順を追って比較していく楽しさもある必見のシリーズだ。